海外雑詠句(4)
(昭和36年~平成2年頃) 

            ・現役中に、海外へ出かける機会が多かった、その中で現地で詠った句を
            載せてみました。若き日のことが懐かしく思われます。


 シンガポール

 ・空港の木陰に涼む駐車場

 ・ポイ捨てを追放したる円座かな

 ・塵一つなき町愛す胡蝶蘭

 ・将軍はマレーの虎や雲の峰

 ・ケーブルカー渡る海峡虹立てり

 ・木彫り象売りに来る子や夏休

 ・案内の子瞳は地中海白日傘

 ・鰐園の鰐見て夏のバッグ買ふ

 ・万緑の街のどこにも塵見づ

 ・大空の果てなく蒼し蘭の花


    
      シンガポールのマーライオン
  台  湾   
 ・鱶ヒレと燕スープや星祭

 ・台湾は水墨の峽夏つばめ

 ・グローブのやうなバナナを貰ひけり

 ・紹興酒飲んで寝ころぶ半夏生

 ・梨山とて李の里でありにけり

 ・翡翠や故宮博物館過ぎし

 ・もうもうと線香焚きし施餓鬼寺

 ・百人の泣き屋も葬儀炎天下

 ・山水に懸かる女滝男滝かな

 ・立待の月の圓山大飯店

 ・台北は自転車のラッシュ競渡かな

 ・目交の海鮮料理夏料理

 ・爆竹の音に目覚めて三が日

 ・谷千丈返し技見せ夏つばめ

 ・花園のみやげ蜂蜜烏龍茶

 ・国旗みなビルにも被せて建国祭

 ・十六夜の鳥が水尾ひく日月湖

 ・台北の明日へ華やぐ秋夕焼

 
       

 ナショナルオーキッド
ガーデンのラン
1978 タイガーバーム  中正記念堂内国家音楽庁 台北市内のオートバイ